キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

怖いお話

ひとつ前の記事で、愛に関する実例をあげましたので、

今日は、その真逆の実例を記したいと思います。

 

感受性の鋭い方は、かなり怖い話かもしれません。

「こんなこともあるのだな」と、話の中に
あまり入りこまないよう意識して、
お読みください。

 
私がまだペットシッターをしていたころなので、13年ほど前の体験です。

ある日Aさんというお客さんから、どうしても
受けてほしい顧客がいるとメールが来ました。

その頃私はすでにアニマルコミュニケーションの勉強を始めていて、
新規の顧客は受けていませんでした。

そのように返事をすると、
「もう旅行に行く日にちがせまっていて、当初頼むはずだった人に頼めなくなってしまった。
Hさんの猫4頭は、全部保護猫です。
前田さん、今回だけという約束で受けてもらえませんか」…と言うのです。

場所を聞くと行けるエリア内だったこと、日程が3泊と短いこと、
そして何より保護猫と聞くと弱い私は、今回限りと言う約束で受けることにしました。

 

初めての顧客の場合、ペットシッターは事前に1度、打ち合わせに行きます。

次の日の午後、私はHさんの住むマンションに向かいましたが、
その駅に降りた瞬間から、気分が重くなってきました。

その駅は他に顧客がいて何度も降りていますが、こんな気持ちになるのは初めてです。

 

Aさんによると、Hさんは本業の他に、ネットワーク関連ビジネスで
成功したやり手の女性ということでした。

その話し通り、住むマンションは瀟洒な造りでした。

メゾネットタイプのマンションで、1階と2階が住居、3階は納戸の広いスペースと
ルーフバルコニーになっています。
斜面に沿うように建っていて、どの部屋も2階が玄関という造りでした。

 

「猫たちは2階と3階しか行かないから、1階は案内しなくていいわよね」と、
Hさんはフカフカのソフアーに座って、言いました。
高級婦人雑誌から抜け出てきたような化粧と服装の人で、
当時50代初めと聞いていましたが、どう見ても30代にしか見えません。

そんな風に美しい女性でしたが、人を使い慣れているというか、
尊大な感じのする人でもありました。

私にお茶は何がいいか聞くので、珈琲と答えると顎でキッチンを示し、
「私も珈琲がいいわ、あ、そうそう…ちょうど、飛び切り美味しいのがあるのよ。
お湯沸かしてくださる」と言って、私にお茶を入れさせるのでした。

そんな人だったのと、今回限りで来ることもないと思ったので、私はこう言いました。

「1階に猫たちが行かなくて、お世話に関係ないなら必要ありません」

すると、「下の階は寝室ともう一部屋が仕事場、それにお風呂があるけれど…
全部扉を閉めていくので大丈夫ね」と、言われました。

そういう説明を受けている間も、私は明日からこの家に3
日通うことが憂鬱で仕方ありませんでした。

実は玄関に入った瞬間、空気が濃い霧のように重い家と感じていたのです。
そして行かなくていいと言われた1階のことが、なぜか気になって仕方ありません。

 

ペットシッターの仕事は、訪問時間(だいたい1時間半〜2時間)の間に、食事やトイレの

世話をし、猫と遊びながら健康状態をチエック、レポートを書いて終わります。

初日は、言われたことを確認しながら作業をしていたので気持ちに余裕がなかったのでしょう。

作業中は何も感じませんでしたが、レポートを書いている時に異変を感じました。

背後に違和感があるのです。私は最初気のせいかと思ってレポート書きに
集中しようと思いましたが、段々違和感が増してくるのです。

そのうち心臓がバクバクしてきたので、気持を鎮めようと
胸に手をあてたらかえって集中してしまったようで…背後に、刺すような視線を感じました。

 

「誰かいるの?」私はあまりの怖さに、そう叫んで後ろを振り向きました。

シーンとした室内に響いているのは、私の声だけでした。

それもそのはず、今日の朝から家主は出かけ、鍵は私が開けて入ったのですから、
誰もいるはずがありません。

猫たちはみな高齢だったので、私の背後で動き回る子もいないのです。

辺りは暗くなる時刻でしたので、なんだかさらに恐怖感が募ってきました。

私は家でレポートを書くことにし、早々に退出したのでした。

 

翌日は、症状がもっと顕著になっていました。

気のせいだと自分に言い聞かせ、猫のトイレの掃除から取り掛かりましたが、
しゃがんで
トイレ砂をチエックした瞬間、また背後が気になるのです。

よく2時間もののドラマなどで、殺人犯が音もたてず忍び寄り…
主人公が、殺気に気がついて振り向いた瞬間、「ギャー!」という、あのシーンのようでした。

私は砂をひとかきしては後ろを振り向きと…確認せずにはいられませんでした。

 

その異変がピークに達したのは、トイレ掃除の後、キッチンで猫たちの食器を洗っている時でした。

豪華なキッチンの下は、Hさんの説明でいくとちょうど寝室がある場所です。

「真下の寝室に、誰かいる」と、私はハッキリ感じました。スリッパの裏面に、

階下で動き回る気配を感じるのです。

また心臓がバクバクし始め、頭までズキズキ痛くなっていました。

(どうした私!落ち着け落ち着け)と言いながら、洗い物を再開しましたが、

間違いなく下の階に誰かいて、移動しているのです。

(強盗でもいて、息を潜めている?)と思うほど、リアルな体感でした。

 

私は次第に、猫に何かあったら心配だと言う気持ちを抑えられなくなりました。

2階の階段部分に立って、下の階をのぞきこみます。誰かが潜んでいて襲われた時、
いつでも外に逃げ出せるよう、カバンを胸に抱いて玄関の鍵は開けてありました。

「誰かいるんですか?」不思議なことに、そう叫ぶと、
下の階の気配はスーッと消えていく気がするのです。
念のため、猫の名前を順番に呼んでみました。
「〇ちゃん、下に行ったの―?おいでこっちに」

シーンとして、猫がいる気配はありません。

 

すると今度は、また自分の背後に気配を感じるのです。

じーっとその気配に焦点を合わせていくと、昨日と同じ刺すような鋭い視線と感じます。

余りの怖さに、最終日はお守り持参でいきました。
イヤホンをつけ、終始音楽を流しながら仕事を終えたのでした。

 

その鋭い視線の正体を知ったのは、ずっと後になってからです。

当時Hさんは夫と別居し、あのマンションに引っ越してきたばかりでした。

そして旅行に行ったのは、付き合い始めた彼氏に会うためで、
猫の世話は当初夫がするはずだったというのです。

夫の嫉妬がかなり激しく、それに対しHさんの方も、憎悪や夫の過去の女性問題に関する嫉妬で応戦…
その後裁判沙汰になり、離婚をするまで長い時間を要したそうです。
その間、実際夫があのマンションに入ってこようとして警察を呼んだこともあると言うのでした。

 

私が感じたのは、まさに、夫の嫉妬や恨みの念だったのです。

嫉妬にかられた夫は、その念の激しさからまさに生霊と呼ばれている状態になって、
念を飛ばすまでになっていたのでしょう。
それで、1階の寝室が最も強く感じたことも納得できるのでした。

 

ひとつ前のきなこさんの愛の波動と比べると、その違いが分かっていただけると思います。

激しい恨みや嫉妬の波動は、その激しさゆえ、送り手、受け手の双方が傷つくと思います。

 

その証拠に、何年か前、Hさん本人から連絡がきました。

数年前から病気で入退院をしているが、急遽入院することになってしまった。
今回は長期になりそうなので、またペットシッターに来てくれないかと言うのです。

 

もちろん私は行きませんでしたが、共に住む猫が気の毒でなりませんでした。

全ての人に対し、好意的な気持ちになれないのが人間です。
でも恨みや妬み、執着の念にかられたときは、是非この話を思い出してほしいものです。

 

激しい念の矢を放てば、必ず自分にもかえってくるのですから…

 

 

 

 

  • 2020.02.23 Sunday
  • 23:25