キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

してはいけない所で排泄をしてしまう、花ちゃん (秋田犬)の実例

排泄に関する問題行動は、犬も猫も、とても多いご相談の
1つです。
まして、今回の記事の花ちゃんのような大型犬となると、
毎回人間並みの量の排泄物を室内で
されてしまうことになりますので、それはもう深刻です。

 

花ちゃんがお姉ちゃんと呼んで慕うHさんも、
頭を抱え困り果てたという感じで依頼をされてきました。


セッション内容をご紹介する前に、今回の記事は排泄に関する
文言が豊富に(^▽^;)出てまいります。
お食事中の方はもちろん、下々の話が苦手な方はスルーなさってくださいませ。

 

それでは最初に、花ちゃんがHさんのお家に来た経緯から
記します。

 

推定3歳の花ちゃんは、某愛護センターからレスキューされた保護犬です。
こんんなに若い秋田犬が、野良犬ということは考えにくいので、
飼い主の飼育放棄、持ち込みというケースがほとんどです。花ちゃんも、また然り。

Hさんは自分の時間などないと思うくらい、日夜保護した子のお世話を引き受けている方です。
自宅には、シーズーなど小型の保護犬が8頭、それプラス猫ちゃんもいるのです。

それでも、この大きな犬の預かりに困っていると聞いた時、挙手したのでした。
気さくで情に厚く涙もろい。そして純粋で真っすぐな性格のHさんは、そんな話を聞いて、
黙っていられなかたのだと思います。
自分が無理をすればどうぶつが助かるのなら、
どんな無理も我慢もする、そんな方なのです。

 

自宅には小型犬がたくさんいますし、日中は勤めに出て不在になります。
いきなり大きな秋田犬を連れてきて一緒にはできないと思ったHさん、
自宅のほぼ真向かいの所に、事務所があるのです。
そこに花ちゃんコーナーを作って、いてもらおうと考えたのでした。

 

ところが、最初はきちんとペットシーツの上で排泄していた
花ちゃんでしたが、次第にしなくなってきました。
今では、朝の散歩に行くため迎えに行くと、大量のウンチやオシッコを、
トイレ以外の床にしてある。我慢できなくてしている感じではないと言うのです。

 

ちょうど、里親さんを探さずこのまま一緒に暮らそうと考えていたHさん。
花ちゃんが淋しがっているのは感じていたので、その点でも、どうしていいかわからなくってしまいました。

花ちゃんにコンタクト取ると(というより、写真を見た瞬間)、
泣いている花ちゃんの顔が浮かんできました。どうぶつが泣くと言うと驚く方がまだいますが、
彼等は私たち人間と全く同じ、豊かな心を持っています。なので、当然涙も流せば、笑いもします。


泣いている花ちゃんからは、淋しさが伝わってきました。
それも尋常な淋しさではありません、陸の孤島に1人取り残されでもしたような、圧巻の淋しさです。

私はその淋しさの中に飛びこみ(正確には大波に取りこまれ)、
1つずつ、淋しさを取り出すところから始めました。
前の飼い主さんの時から、ずーっと1人にされ淋しい思いをしてきた。
じっと孤独に耐えていたのに、何も聞かされず、センターに持ち込まれた。
花ちゃんは、生まれてこの方自分の存在を認められ、喜んでもらったことがない。
その淋しさは、鋭いナイフで切られたような痛み。そんな生い立ちからくる淋しさは、
自信のなさとなっていて、今、もっと自分を出していきたいが、どうしていいかわからない。
お姉ちゃん(Hさんのこと)は、自分が来たことで世話が大変になり、迷惑をかけていると感じる。
自宅に立ち寄った時、シーズーの子たちに何か言われたようだ。
自分は身体が大きいばっかりにというコンプレックスが、深い部分に根っこを張っている。
小さくて可愛かったら、私も他の子みたいに、お姉ちゃんと一緒に暮らせるのに…

 

私はどうしていいかわからなくなり、目を閉じた花ちゃんの足元近くにいて、
黙っていました。なんて声をかけていいか、わからなかったのです。

 

やがて、花ちゃんの方から口を開きました。
「いいよ(私をどこかにやっても)迷惑ばかりかけていられないもの」
「あ、そんなことないよ、そうじゃないと思う。Hさんは、花ちゃんのこと
すごーく大事に思っているよ。とっても大事な存在だと思う」

 

私は自分でそう話しながら、花ちゃんに話しかけるHさんの姿を浮かべていました。
花ちゃんの大きな身体を思いっきり、ぎゅっと抱きしめこう言ってあげてほしい。
「愛しているよ、花ちゃん。大好き、とっても大事に思っているよ。
ずっと一緒にいたいね、離れたくないよ」

かなり長い時間、私はそうやってHさんと花ちゃんの抱擁シーンを再現していました。
それから、こう聞いてみました。

「花ちゃんがウンチとオシッコしてしまうのは、今感じている淋しさと関係している?」
花ちゃんはこちらを向いて、頷きました。
「ここでウンチとオシッコしたら、私はここにいられなくなるから。
してはいけないことは、充分わかっている。でも1人でこうしていること、
そしてお姉ちゃんに大変な思いをさせていることが、もう我慢できなくなっている。
ならいっそのこと、ここにいられないことをして、そういう思いから解放されたい」


花ちゃんがしてはいけないことを承知で排泄してしまうのは、この1人の淋しさ、
Hさんにかけている迷惑から解放されたいという、切実な訴えだったのです。


セッション結果を説明した時、Hさんは最初(みな最初は、そうです)
犬がそこまでわかるのかと、驚いていました。でも
説明することと、彼女が感じていたことは、ほぼ合っていました。
Hさんの声はどんどん、真剣味を増してきましたが、
「私にできるだろうか!花はわかってくれるだろうか」泣いてしまい、
しゃくりあげながら、不安そうな声になりました。

の度私はお姉さんになって(あ、お母さんですね(^▽^;))励ましたものです。

後になって知ったのですが、この時花ちゃんは、何を食べても下痢をしていたというのです。
消えて無くなりたい気持ち、身体が大きいことからくるコンプレックスから、
肉体が食べ物を受けつけなくなっていたようです。

 

見違えるように元気になった花ちゃんと再会したのは、それから1〜2か月くらい後のことです。
ミニセッションをしていた赤羽へ、花ちゃんを連れ遠くから会いに来てくれたのです。

「前田さんの言う通りにしたら、もうすぐに下痢は止まり、
今では4〜5キロ体重が増えました。あ、もちろん、オシッコもウンチもしなくなりました。
そして何より、表情とか、もう全然違うんですよ。淋しそうで伏し目がちだったのに、
イキイキしてイタズラもするようになりました。ほら、毛もふっくらして色も濃くなって、
なんか信じられないです!」


その時撮ったHさんと花ちゃんの写真が、添付のものです。
最初の泣きそうな顔とは、まるで別犬ですね💖


Hさんは何度も私に頭を下げ、花ちゃんと共に晴れ晴れした表情で帰って行きました。
「前田さんのおかげです」と言ってくれましたが、もちろん違います。

あの日、私は帰る道すがら、Hさんと花ちゃんにピッタリな歌を、
ハミングしながら帰ったものです。
それなりの年齢の方なら、ご存じのはず…

 

「♬どんなに困難でくじけそうでも、信じることさー!♬
必ず最後に愛は勝つー!♬」

  • 2017.06.06 Tuesday
  • 19:27