キキのテーブルのブログ「4×6 -4つの目、6本の足-」

🐾大人の犬と元外猫が同居して、仲間になれる?の実例 (ミーシス9月ミニセッションの事例)🐾

今日ご紹介するのは、ミニチュアピンシャートッポ君(14歳)と、
チャビ君(元外猫6歳)が、急に一つ屋根の下で暮らすことになり、
お互い最悪とも言える関係を乗り越えて…
仲間と認めあうまでになった実例を、アップ致します。

 

今回の実例は、高齢化社会の一員である私達の誰もが、
自分が共に暮らしてきた犬や猫を置いて行く身か、
引き受ける身になる可能性がある内容です。

いつにもまして長文になりますが、誰かのお役に立つならと、
掲載を許可してくれたKさん、チャビ君、トッポ君のためにも、
時系列で丁寧に記していきたいと思います。

 

相談があった9月の初め、依頼者のKさんは、7月に引き取ったトッポ君と
先住猫のチャピ君のことで、相当お悩みでした。

Kさんのお母様が、自宅で急に倒れたのが5月。そのまま帰らぬ人となり、
お母さまの愛犬トッポ君は、K家に引き取られる7月まで、
動物病院に預かってもらっていました。

 

色々なことが落ち着いて、ようやくトッポ君を迎えたKさん。
早く仲良くなってもらいたい…その一心で色々試したにも関わらず、
チャビ君とトッポ君の関係は、全く進展しません。

チャビ君は、Kさんの寝室に引きこもってほとんど出てこない日々。
トッポ君は、Kさんがいないと分離不安のような症状を示し、
鳴きやまないこともある。

今では部屋をゲートで仕切って暮らしているが、猫たちのことを
心配した旦那様からは、不満の声が出始めました。

K家には、チャビ君の他にビッケさん(6歳女子)もいます。

「ビッケは気分が良くなくても、見て見ぬふりをしてくれている。
でも、元々外猫だったチャビは、犬は天敵だったはず。なのにこれ以上我慢して同居させるのは、
すごいストレスではないか」・・・というのが、旦那様の意見なのです。
Kさんは、旦那様の意見が当然と思いつつも、お母さまの所へ遊びに行くたび接してきた、
今となってはお母さまの形見とも言えるトッポ君を、手放したくはない。

 

真面目な性格のKさんは、にっちもさっちもいかない気持ちになって、
セッションを申し込んできたのでした。

 

上手く行かない動物同士の場合、新たに来た子のセッションを申し込む方が
とても多いものです。これはやはり、急に新たな場へ来ざるをえなくて
可哀想と思うからなのでしょうが、本来は、先住の子の意見も必ず聞くべきです。
ともすれば新しい子にばかり注目が集まり、自分の住み慣れた家に
侵入された身なのですから、真っ先に不満や愚痴を聞いてあげるべきなのです。

それが何の断りもなく新入りがやってきて、新入りの話だけ聞いてもらう。
それでおへそを曲げてしまうケースも、たくさん見てきました。

そこでK家も、トッポ君、チャビ君両方の言い分を聞くことになりました。

 

お話しは、不安そうで、すっかり自信喪失してしまっている感の、
トッポ君から聞きました。

 

彼の意識にコンタクトを取ると、うつむいて淋しそうな様子で出てきました。

トッポ君のそんな姿を一目見ただけで(エネルギー上で)、
私の方の胸が押し潰されそうになるほどの、悲しみが感じられました。
その淋しさ悲しみに意識を集中すると、トッポ君の呟きが聞こえてきたのです。

 

「お母さんは、僕の前から急にいなくなってしまった。
(急に別れたので、亡くなったことが今一つ理解できていない)
僕は、お母さんをずっと守り支え、2人で静かに生きてきた。
お母さんの生きる張合いだった。僕も必要とされていることを、張合いに生きて来た。
でも僕は、今、誰からも必要とされていない。それどころか、
お姉ちゃん(Kさん)のお荷物で、この家の厄介者だ」

言い分を聞く間、トッポ君は元来、とても優しく繊細な
資質の犬と伝わってきました。それで余計、気持が沈んでしまっているのでした。

 

私はトッポ君の気持ちに深く同意しながら、
「Kさんがいなくなると鳴いてしまうのはなぜか?」と、尋ねました。

すると彼は、「今はあきらめと虚しさの気持ちだけれど、
その前は不安でいっぱいだったと」言いました。お姉ちゃんのKさんが居なくなると、
急にお母さんが目の前から消えてしまい、自分は動物病院のケージで
過ごした2か月間が蘇ってくるのです。

「僕は、お姉ちゃんにまで置いて行かるんじゃないか…」と、
思って不安で押し潰されそうになっていたのでした。

 

続いて、先住猫で、元は外猫だったチャビ君の意識にコンタクトしました。

日々、おもしろくない不満の気持ちでいっぱいだというエネルギーが、
大量に流れてきました。こちらは、呟くというより訴えてくるような口調で、
話しかけてきます。

「犬の吠える声や足音、ハアハアする声が室内で聞こえると、
信じられない気持ちになってくる。ここは僕たちの静かな家だったのに、
とくに僕は外で生きて来たから、犬は天敵だった。だから余計怖くて仕方ない。
それに最初の出会いも悪かった。あの犬をケージの中に閉じ込めて、
僕たち猫がいつでも見に行けるような雰囲気にしてくれればよかったのに…
お母さんはあの犬に対して、可哀想という目でばかりみている。
それも違和感があるよ、今まで平和に暮らしてきた僕たちは、
可哀想じゃないのかな?」

 

セッションが始まった時、Kさんはメモを片手に持っていましたが、
次第にメモを置き、私の話しに聞き入っていました。

そして2頭の言い分を聞き終えた後、こう言いました。

「今お聞きして、あらためて、思い当たることばかりです。
私は焦って仲良くしてもらおうという自分側の気持ちばかりで行動していたんですね。
単に、自分の気持ちを押し付けていたんですね。そのことが、今、よーくわかりました」

 

では、今後どうしていけばいいのか…

それは、チャビ君に意見を聞いてありました。

「お母さんは、トッポ君と君が、今のようにゲートで隔てて生活するのではなく…
お互い自由に家の中で暮らせるようになってほしいって。
それにはどうしたらいいと思いますか?」と、聞いたのでした。

今までベッドのクッションに身を隠すようにして寝ていたチャビ君が、
身を起こしてきました。

「お母さん、それにはまず、お母さんがこうしてもらいたい!
という理想と焦る気持ちを捨てて、日々僕たち猫のことを労ってほしいんだ。
だってそうじゃない?お母さんだって、40年間(猫の6歳を人間に換算して)
自分の家で静かに暮らしていたのが、いきなり見たこともない宇宙人が部屋に入ってきて、
さあ今日から仲良く一緒に暮らしなさいって言われたらどうするの?えー冗談じゃないって、
自分が一番安心できる部屋(今のベッドがある部屋)にこうやってこもるか、
相手を徹底的に追い出そうとするでしょう?徹底的に追い出そうとしない、
僕とビッケの気持ちを汲んでほしいよ」

 

チャビ君の気持ちを聞いたKさんは、ただ無言で頷いていました。
でもチャビ君が言ったように、希望はあると、私は思っていました。
それは、チャビ君が、トッポ君を徹底的に追い出そうとしないと言った、
その優しさにありました。彼は同じ生きものとして、またトッポ君と
2カ月余り一緒に暮らしてきて、受け入れらえなくとも、
老いた身で最愛のお母さんと別れた淋しさ悲しみを、ちゃんと感じていたのです。

 

そこで最終的に、このような方針でいくことになりました。

 

チャビ君たちがリラックスできる雰囲気作りを、最優先に考える。あえて、
早く仲良くさせようとはしない。彼らのペースに任せて注意深く見守る。

Kさんが日々心がけるのは、チャビ君たちを労い、感謝の言葉を口にすること。

「チャビとビッケは優しい猫だね。2人の家にいることを、許してくれているんだもの。
本当に、ありがとう。トッポはお母さんが亡くなってしまい、
行き場を失ったんだ。だからトッポのこと、少しずつ許してあげてほしいな」

 

トッポ君に対しては、こんなことをお願いしました。きちんとお母さんが
亡くなったことを伝える。たとえ辛いことでも、動物達は、ちゃんと感じているのですから、
曖昧にして誤魔化さない方がかえっていいものです。

お母さまのことをきちんと話してあげた後、
「私はトッポが大好きだから、家に来てもらったんだよ。トッポの当分の仕事は、
チャビとビッケに許してもらうことだね。大丈夫、お姉ちゃんがついている。
トッポの優しい犬格は、必ず伝わるよ」と、彼の存在理由を示し、
絶えず励まし続けることでした。

 

もちろん、言葉だけかけてあげても効果は半減です。言葉の中に、
こちらの思いや愛を込めて、話しかけるのです。すると彼らは、
その思いをきちんと受け取ってくれるものです。

 

それでも私は、どんなに早くとも半年はかかると思っていました。

「年が明ける頃には、雪解けのような日が来るかもしれません。
気長に根気よく、愛情と時間、そして焦らないで頑張って下さい」と、言ったのでした。

 

嬉しい知らせが飛び込んできたのは、セッションの日から1か月半ほど経過した、
10月半ばのことでした。

いただいたメールから抜粋いたします。

 

「セッションから1ヶ月ほど経った頃、チャビ()の方からトッポ()に近寄り、
鼻挨拶をしてくれました。そして今日、なんとトッポの部屋と化した
リビングにチャビがやって来て…ソファに二人でリラックスして横になってくれたのです!」

その後の文章は、もうダメかと思うこともあったが、
チャビ君の優しさに救われたことなどが書いてありましたが、
涙で滲んで、私は読めなくなっていました。

 

お尻を向けてはいるけれど、柔らかいチャビ君の表情、
トッポ君の遠慮がちに目をつぶったシルエット、
2頭に添えられたKさんの手、この写真が全てを物語っています。

 

動物が私たちの言葉など理解しない。
動物は食べものさえくれれば誰にでも懐く。
動物に心があるはずはない。

そんなことを、まだ思っている人間がいたら、そ
れは本当に愚かで無知といわざるをえません。

 

他者を排除し、ともすれば殺戮を繰り返している私達よりはるかに、
動物たちは、愛と思いやりに満ちています。

 

長文お読みくださり、ありがとうございました。

 

決して自慢できることではないご相談の公開を、快諾してくださったKさん。

動物の愛と叡智を示してくれた、トッポ君とチャビ君。

彼らに、愛と感謝をこめて💖

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一緒の空間にいる2頭💖

 

 

寝室から出て来なくなった当時のチャビ君

 

14年支え合ってきたお母さまと突然別れ、

不安と淋しさでいっぱいの頃のトッポ君

 

 

  • 2018.11.02 Friday
  • 11:08